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食物繊維と睡眠に関連は?いつもの食卓でできる身近な工夫

9月17日
読了時間: 5分

食物繊維と睡眠に関連は?いつもの食卓でできる身近な工夫

「よく眠るために、食事でできることはないだろう」。そんなとき、寝る前の飲み物や特別な食品だけでなく、普段の献立にも目を向けてみませんか。


今回取り上げるのは、食物繊維と睡眠の関係を調べた新しい研究です。研究からわかることと、まだわからないことを分けながら、毎日の食卓で無理なく取り入れられる工夫を紹介します。



食物繊維と睡眠の関係を調べた、1,904人の研究


2026年8月31日、学術誌「Scientific Reports」で、炭水化物の量や質と睡眠の関係を調べた研究が早期公開されました。対象は1,904人で、平均年齢は約39.6歳です。


食事は106項目の質問票、睡眠は「ピッツバーグ睡眠質問票」で評価しました。食物繊維の摂取量が多い人ほど、睡眠の総合評価や本人が感じる睡眠の質、寝つきが良好な傾向が報告されています。


ただし、これは食物繊維を増やす実験ではなく、食事と睡眠の状態を調べた横断研究です。「食物繊維を食べれば眠れる」と証明されたわけではありません。


睡眠を機器で測定した研究でもなく、食事・睡眠ともに本人の回答に基づきます。特定の食品の効果や、眠るために必要な摂取量を、この結果から決めることはできません。



腸での働きと、睡眠への作用を分けて考える


食物繊維は、小腸で消化されず、大腸まで届く食品成分です。便のかさを増やすほか、一部は腸内細菌に利用され、おなかの調子を整える働きがあります。穀類、豆類、野菜、きのこ、果物、海藻などに含まれています。


ただし、腸での働きが知られていることと、それによって人の睡眠が改善することは別です。今回の研究だけでは、その道筋まで確認できません。


食物繊維だけに注目して食事を組み立てるより、主食・主菜・副菜をそろえ、さまざまな食品を組み合わせることを基本にしましょう。農林水産省の「食生活指針」も、多様な食品を取り入れた食事を勧めています。



食物繊維を増やすなら、まずはいつもの一食から


厚生労働省のe-ヘルスネットによると、令和6年国民健康・栄養調査で、20歳以上の食物繊維摂取量は平均1日18.1gでした。同サイトでは、無理のない範囲で1日あたり3〜4g増やす工夫を紹介しています。これは一般的な食生活改善の目安で、睡眠改善のための量ではありません。


献立を変える前に、昨日の朝・昼・夕食を思い出してみてください。豆類や野菜、果物を食べる機会は、どこにあったでしょうか。「野菜をもっと」と漠然と考えるより、朝食、昼のお弁当、夕食の付け合わせなど、変える場所を決めておくと計画しやすくなります。


手軽な方法は、主食の選び方を変えることです。例えば、1日のうち一食をごはんなら麦ごはん、パンなら全粒小麦パンにする方法があります。


おかずを工夫するなら、朝食に納豆、昼食に豆入りサラダ、夕食にきのこや野菜の小鉢を添えるといった組み合わせが考えられます。すべてを一度に取り入れる必要はありません。まずは普段あまり食べていない食品を、一つ選んでみましょう。


忙しい日のために、次のような準備をしておくのも一案です。

  • ごはんを炊く日に、麦ごはんを一食分ずつ冷凍しておく

  • 買い物では、納豆や蒸し豆など、調理の手間が少ないものを選ぶ

  • よく作る炒め物や汁物に使う、きのこや野菜を用意しておく


外食が続く週は、お店を変えるだけでなく、いつもの注文に副菜を組み合わせられるか考えてみるのもよいでしょう。自炊できる日だけ頑張るのではなく、忙しい日にも選べる組み合わせを用意しておきます。


「どれが一番眠れるか」ではなく、好みや予算、調理にかけられる時間に合わせて選んでみてください。


肉や魚をやめたり、野菜だけの食事にしたりする必要もありません。いつもの主菜を残しながら、副菜や主食を調整する方が、食事全体を考えやすいでしょう。



寝る前に足すより、日中の食事に分けて


睡眠を考えるときは、食べる内容とともに時刻も大切です。厚生労働省は、朝食には体内時計を調整する働きがあり、就寝前の夜食や間食は睡眠休養感を低下させると説明しています。


「今日は野菜が少なかったから」と、寝る直前に食事を追加するより、翌朝や翌日の昼食に取り入れる予定を立ててみましょう。食物繊維を摂るために、夜食を習慣にする必要はありません。


例えば、朝はパンだけで済ませる日が続いていたら、主食の種類を見直す。昼に麺類を選ぶことが多ければ、副菜を組み合わせる。夕食を一度に変えようとせず、日中の食事にも取り入れる場所を探す方法です。


食事を振り返る際は、夕方以降のカフェインや寝酒も一緒に確認しましょう。厚生労働省の「Good Sleepガイド」は、これらを控えることを勧めています。食物繊維を増やす工夫と、眠りを妨げる習慣の見直しは、分けずに考えたいところです。



増やす量は、おなかの調子を見ながら


食物繊維は、多ければ多いほどよいというものではありません。短期間に急に増やすと、おなかの張りやガス、腹痛につながることがあります。米国国立医学図書館の健康情報サイト「MedlinePlus」も、少しずつ増やす方法を案内しています。


最初から毎食を大きく変えず、一食の主食や小鉢から試してみましょう。違和感が出たら、量や食品を見直すことも大切です。


病気の治療などで食事指導を受けている人は、その指導を優先してください。食物繊維の量を増やす前に、担当の医師や管理栄養士に相談すると安心です。



食物繊維と睡眠を、続けられる習慣に


食事を変え始めたら、食べた内容だけでなく、寝た時刻や起きた時刻、翌朝の休まった感覚も簡単に残してみましょう。米国国立心肺血液研究所は、睡眠の状態やカフェイン、運動などを記録する睡眠日誌を、医師への相談に役立てる方法として紹介しています。


例えば「昼食に豆の小鉢、23時に就寝、朝はまずまず」といった短いメモで十分です。記録は食品の効果を証明するためではなく、普段の過ごし方を見返すために使います。


睡眠時間を確保し、生活習慣を整えても、眠れない状態や強い日中の眠気が続く場合は、食事だけで解決しようとせず医療機関に相談してください。


食物繊維と睡眠の関係は、これからの研究にも注目したいテーマです。まずは次の買い物で、普段の一食に取り入れたい食品を一つ選ぶ。そんな小さな見直しから、食事と眠りを考えてみてはいかがでしょうか。

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